中学生コースでは全身の柔軟性改善と爆発的なパワー発揮能力向上を目指したトレーニングを行います。
- 球速アップ
- スイングスピードアップ
- 全身の柔軟性改善
- 爆発的な瞬発力アップ
- ビジョン能力改善
中学生コースでは全身の柔軟性改善と爆発的なパワー発揮能力向上を目指したトレーニングを行います。
運動量が高い選手では首や胸周りの筋肉などを使った呼吸パターンに陥いることがとても多いです。
この首や胸周りを過剰に使った呼吸パターンはいわゆる胸式呼吸になります。
無意識に胸式呼吸でしか呼吸できなくなっている選手は意外にも多いです。
しかし、この胸式呼吸は効率的な呼吸パターンとはいえません。
その理由の1つが横隔膜を有効活用できなくなるということです。
横隔膜を使った本来の正しい呼吸ができていると、お腹の内圧が高まりやすくなります。
腹腔内圧が高い状態だと体幹が安定するので手足を動かしやすくなり、筋肉の出力も上がって効率よい運動パフォーマンスを発揮することができます。
一方、胸式呼吸(浅い呼吸)を繰り返している選手では肋骨が浮いてしまいます。
また、徐々に骨盤が前に傾いていき、反り腰になってしまいます。
そうなると、骨盤と肋骨が平行ではなくなり、お腹の内圧を高めることができなくなってしまいます。
その結果、体幹が安定しないのでいくら腕を頑張って動かそうとしても効率よく力を発揮することができません。
根っこがグラグラの木だとすぐに倒れてしまうのと同じです。
お腹の内圧を高めて体幹を安定させなければ、思い通りのパフォーマンスを発揮することはできません。
近年、MLBでは練習の1番最初に行うのが呼吸トレーニングだそうです。
まず、呼吸調整で胸郭・肋骨・骨盤の位置調整をしてお腹の内圧を高めてから次のトレーニングに入るそうです。
間違った呼吸パターンや姿勢のままで練習をしたとしても、トレーニング効果が半減してしまいます。まずは人間の根幹となる呼吸を調整してからトレーニングを行うことが重要だと考えています。
Arrowsでは横隔膜を使った正しい呼吸パターンに修正することで胸郭・骨盤の調整し、トレーニングの効果を最大限高めるようにしています。
なお、呼吸トレーニングはMLB全球団が採用しているPRI(Postural Restoration Institute)コンセプトに準拠しています。
中学生になると二次性徴を迎えて急激に身長が伸びる選手が出てきます。
身長が短期間で急速に伸びると、骨の成長に対して筋肉・腱・関節包などの長育や幅育が追いつかずに柔軟性が極端に低下しやすくなります。
小学生の頃は柔軟性が十分あっても、中学生になってから急にガチガチに硬くなってしまう選手はたくさんいます。
中学生の年代ではストレッチなどのコンディショニング管理をしなければ、柔軟性はどんどん失われていくと思ってください。
やっかいなのは一度柔軟性が損なわれてしまうと、柔軟性を取り戻すのに相当な時間・労力・根気を要するということです。
高校生以上になると、ストレッチ効果も現れにくくなるので、中学生のうちに野球選手に必要な可動域を確保しておくことが大切です。
Arrowsのストレッチメニューは昔ながらの柔軟体操ではなく、相反抑制(1a抑制)・自原抑制(1b抑制)・反回抑制という筋肉の生理学に基づく理にかなった可動域トレーニングを行います。
根拠あるメニューを行うことで効率よく柔軟性アップを図ることができます。
下の図は「動作」「身長」「持久力」「筋力」が各年齢でどれだけ発達するかを示したものです。
この中で「筋力」の曲線を見てみましょう。
12歳から急激に伸び始めて15歳くらいでピークを迎えることがわかります。
12歳〜15歳というとちょうど中学生年代です。
つまり、中学生年代に適切な筋力トレーニングを行えば、効率よく筋力を向上させることが可能です。
Arrowsではこの原理に基づき、中学生年代の選手には積極的に筋力トレーニングを行います。
トレーニングでは筋力バランスが不均衡にならないように留意し、下半身・体幹・上半身の各部位に負荷をかけていきます。
また、中学生はまだまだ子供の体なので強度は高くありません。
そのため、この時期は体に負荷を与えながらも過負荷にならないように注意してメニューを作成します。
Arrowsでは自重トレーニングと軽負荷のウエイトを用いて筋力強化を図ります。
自重トレーニングは筋力トレーニングとしての負荷を十分担保できますし、過負荷になることが少ないので素晴らしいトレーニングメニューです。
また、この年代は発達の進行度によって体格や筋力の差が個々で大きく異なります。
そのため、選手個々の体力に応じて適切な負荷となる筋力トレーニングのメニューを実施していきます。
バッティング・ピッチングなどの動作は、コンマ何秒というごく短い時間でどれだけ大きなパワーを発揮できるかでパフォーマンスの高下が決まります。
一瞬で爆発的なパワーを発揮する、つまり瞬発力を高めるための肝が伸張-短縮サイクル(Stretch Shortening Cycle)です。
伸張-短縮サイクルは端的いうと、体の伸び縮みを有効活用した筋収縮のことです。
この伸張-短縮サイクルを利用すると瞬発力を高めることができます。
普通にジャンプするよりも一回しゃがみこんでそこから素早く切り返してジャンプしたほうが高く飛べると思います。
あれは伸張-短縮サイクルを利用してパワーが増幅されて運動効率がよくなるからです。
野球選手は伸張-短縮サイクルの能力=SSC能力が高いほどパフォーマンスも高くなります。
下半身のSSC能力が高ければ、スプリントタイムが上がって球速も上がりやすくなります。
体幹のSSC能力が高ければ、バッティングのスイングスピード向上につながります。
このSSC能力はトレーニングで向上させることが可能です。
しかし、SSC能力を高めるには、トレーニングを行うときに細かい条件や注意点を考慮しないといけません。
そのポイントをおおまかに挙げると以下の5点になります。
これらの条件をきちんと理解したうえでトレーニングに取り組む必要があります。
ただ漫然とジャンプトレーニングを繰り返していても瞬発力を高めることはできないということです。
Arrowsでは伸張-短縮サイクルの原理原則を捉えたうえで瞬発力トレーニングを行います。
下半身ではジャンプボックスやミニハードル、体幹では重錘などを用いてSSC能力向上を図ります。
中学生に対する投球・打撃動作指導の内容は小学生と大きく変わります。
小学生には野球選手に必要な基本的な動作習得をめざします。
要点としては以下のとおりです。
一方、中学生には投球・打撃に関する専門的かつ高度スキルの習得を目指していきます。
一例ですが、このような細かい動作指導や動き作りドリルを行います。
ただし、このような高度スキルを習得するには、前提条件として股関節・体幹・肩甲骨・胸椎など全身の可動域が必須です。
そのため、まずは可動域トレーニングを重点的に行い、高度スキルを獲得するために必要な可動域を確保してから専門的な動作指導を行っていきます。
こちらの図は各年齢でスイングスピードがどのように推移するかをまとめたグラフです。
見てもらうと分かるように小学生高学年〜中学生でスイング速度が大きく向上しています。
この時期は二次性徴によって体格が大きくなるのに伴い、野球のパフォーマンスが向上しやすくなります。
野球能力向上に重要なこの時期に専門的かつ体系的な動作指導を行うことで能力を効率よく高めることができます。
バッターがピッチャーが投げたボールを見るときには主にパスート(追従眼球運動:Pursuit eye movement)とサッケード(衝動性眼球運動:Saccadic eye movement)という2つの眼球運動を遂行しています。
ピッチャーが投げたボールをより確実にミートするためにはパスートとサッケードの精度を高める必要があります。
しかし、このパスートとサッケード機能が低下している選手はとても多いです。
その原因の1つにスマホやタブレットなどのデジタル機器の多用が挙げられます。
最近の中学生は家で長い時間タブレットやスマホを利用している子が増えています。
小さな画面を長時間じっと見ていると、眼球運動が固定化されてパスートとサッケード機能が低下します。
また本来、人間は両眼視といって両目をバランスよく使うことで安定した視野を得ています。
しかし、長時間タブレットなどを見ていると、両眼視のバランスが損なわれて片目しか使えていない状況に陥ることがあります。
速いボールを片目でしか見れていなければ、ボールの動きを正確に捉えることはできず、打撃のパフォーマンスも上がりません。
Arrowsでは両眼視でものを見るトレーニングやパスート・サッケード機能を回復するビジョントレーニングを行います。
視野を改善することで打撃パフォーマンスが大きく向上する選手もいますので、ぜひ体験してみてください。